持続性注射剤(Long Acting Injection:LAI)治療について
持続性注射剤はデポ剤やLAI等と呼ばれる製材で、1回の注射で4週間効果が持続します。

これは海外でも一般的に精神科で使用されている製剤です。当院では安全面に配慮してエビリファイ持続性注射剤を採用しております。

従来使われていた持続性注射剤は副作用の問題や強制的投薬のイメージが強く偏見があったため、限定的な使用に留まっていました。
一方で近年開発された持続性注射剤は、精神症状が安定するだけでなく、副作用が少なくなる、飲み忘れ防止、服薬からの解放を患者さんにもたらすことで、より一歩進んだ治療として患者さんの社会復帰を後押しする製剤として注目されています。

また、痛みが少なく、肩への投与が可能な薬剤が開発されたため、患者さんの負担が軽減されてきています。

患者さんが感じる持続性注射剤のメリット

服薬を継続することの難しさについて
精神科に通院されている患者様に限らず、お薬を忘れ ずに毎日飲み続けることが難しいと知られています。 特に統合失調症ではうつ病やその他の内科疾患に比べ て服薬継続が難しいことが海外の研究より示されています(※1)。

服薬継続についての報告で、次の3項目に当てはまる 患者さんは『服薬継続を長期的に維持しにくい』とい う調査結果が明らかになりました(※2)。

  • ・アルコール飲用
  • ・抗うつ薬を使用歴がある
  • ・思考障害
※1 海外で実施された疾患毎での服薬アドヒアランスの比較研究
Keith, S.J. et al.: J.Clin.Psychiatry, 64:1308, 2003
※2 米国で1997年から2003年まで実施された調査研究
Ascher-Svanum H, et al.: J. Clin. Psychiatry, 67(7).1114-1123.2006
 
患者様とご家族、ケースワーカーの方へ
  • ・薬剤を整理したい(飲み薬を減らしたい)
  • ・職場や学校等(人前)で服薬を避けたい
  • ・薬の副作用で悩んでいる
  • ・服薬の確認が難しい
上記のようなケースでお悩みの方には持続性注射剤は特に有効な選択肢です。
持続性注射剤をご検討されている方、説明をご希望の方は主治医もしくはスタッフにご相談ください。